What time is it now?

イムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。

 

この地上で過ごせる時間には限りがあります。

本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、2つか3つくらいしかないのです。

スティーブ・ジョブズ


時刻は3時を回った。めぼしい案件はほぼ連れ出されており、フロアも次第に閑散とした雰囲気を帯び始める。半ばやけくそになった雑な連れ出し打診も当然のごとくあっさりと跳ね除けられ、我々にはなす術がなかった。タイムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。

 

タバコをもみ消し、メインフロアに戻った僕の耳に飛び込んできたのはKrewellaのPartyMonsterから続く、SigmaのNobodyToLoveである。Just grab somebody, no leaving this party With nobody to love, nobody, nobody….愛し愛されるはずだった誰かを魅了することができず、今日もパーティを延々と続けざるを得ない。疲労と精一杯の強がりを湛えた我々に追い討ちをかけ、嘲笑うような曲が今日もバカみたいにでかい音量で流れていた。

 

asapen氏に憧れてナンパクラスタに属してから、思えばほぼ丸々6年の月日が過ぎようとしている。ダラダラと年間20-30本程度を消化しながら何となく過ごしてきた自覚はある。仕事が多忙となり、小銭を稼ぐことに邁進していた時期もあった。ナンパに傾注しすぎてはいけない。そう言い聞かせながらあくまで自らのサードスペースとして位置付けていたナンパは、決して生活のメインになることはなかった。

 

ダラダラ消化していた20-30本の中には当然他人から羨まれるような美人もいた(彼女達には申し訳ないが、美人じゃない子ももちろんたくさんいた)し、彼女のポジションを与えるに相応しい女性も数人はいた。もう何年もの間、そのプレミアシートに空きができたことは一度だってない。幸運だったか、不運だったかで言えば恵まれている方だと思う。

 

仕事もそれなりに一生懸命やって、女遊びもそこそこ。バランスの良い生き方。一般的にはそう見えるかもしれないが、プライオリティの最前列にナンパを置き、ひたすらに出撃する友人達を見て、心のどこかに羨ましさを感じていたことは決して否定できないし、その葛藤はずっと敢えて見ないようにしてきた。

 

同時期からナンパをしていた友人や同年代の友人たち。当時ナンパクラスタの最前線を牽引していたメンバーのうち、今ではほぼ全ての人がその座を明け渡してしまっている。彼らは間違いなくスタープレイヤーだったし、僕は今も彼らの活躍に心からの敬意を表している。他人と比べて性欲が極端に強いわけではない僕が丸々6年経っても別分野にシフトせずにナンパ用のTwitterアカウントを運用しているのは、これまでに彼らのような納得のいく突き抜け方ができていないからだ。僕に残された時間も多くない。納得のいく死に方をするために、納得のいくナンパがしたい。

 

イムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。