ボーイフレンドデストロイヤー

今回は理論の話です。

 

まず前提として、僕はいわゆる『彼氏持ち案件』が好きではありません。

 

自分がその女性の面倒を今後見るつもりがないのに“多少の不満はあれどそれなりにまあまあうまいことやっているであろうカップル”の関係性をわざわざ壊しに行くことが好きではないからです。

 

ナンパ師は女性の一瞬の隙に軽やかに滑り込んで、そして軽やかに去っていくスタンスが理想だと考えており『相手の女性の人生に大きな影響を与えない』ことを重要視しています。

 

後まあこれはシンプルな話なんですけど『自分がされて嫌なことを他人にするのはやめましょう』というところですかね。自分の彼女とか嫁が他の男からちょっかいかけられて別にいい気しないじゃないですか、普通。

 

『女性の彼氏に勝った気になるのが気持ちいい』という考えも馬鹿げています。彼氏がいながら他の男に股を開くような尻軽女と付き合っている男と同じ土俵までわざわざ自分を下げてどうするんだ、ということですね。

 

『性癖』という場合はもう仕方ないかもしれませんね。どうかできるだけ他人の迷惑にならない範囲で、どこかで折り合いをつけて幸せになってもらえることを願います。

 

まあ言い出すとキリがない(もう充分言ったし、そもそも女性側も1回浮気したくらいではそんなに気にしないので、彼氏との関係も大して壊れない)ので、本題に入ります。

 

今回の主題は『彼氏がいる女の攻略法』となります。

 

割と悪魔の所業になるので『自分が本当に面倒を見たいと思っている女の子』だけに使ってあげるのがいいのかなとは思います。それなりの場数を踏んだ魅力的な男性がその辺の女の子が付き合っているそこそこの彼氏に勝てないわけはないので、まあどうやっても抱けるんでしょうが、やっぱり彼氏も気の毒ですし。

 

そもそも弱肉強食でモラルもクソもない世界ではありますが、ナンパクラスタ民度の向上と僕がもう少しモテるようになることを祈ります。

 

以下本題です。

 

 

口説こうとしている女に彼氏がいる場合、まず怯まないことが大事です。いい女に彼氏がいるのは当たり前、という視点で進めていく。ここで大事なのはもし一時的に彼女が彼氏に怒っていようが、心から嫌いになっているわけではないということ。なので「そんな彼氏ひどいね、俺と付き合ったほうがいいよ」という姿勢は最悪です(意外とみんなやります)自分の好きなものを否定されたら誰でも気分は良くないと思います。

 

だから先ずの方向性としては、彼女の中での彼氏のことを大切に思っている気持ちを尊重して汲み取ってあげることが大事です。こうやって「自分はあなたの味方です。あなたの大切な人のことを否定したりはしませんよ」という立場を明確に出していく。そうすると女側も「この人は私の味方なんだ」と思い始めます。

 

 

ここからパターン分岐。まずはパターン①の簡単な方から。

 

<①彼女が彼氏とうまくいっていない場合>

彼女の愚痴をしっかり引き出してやって、なおかつ自分はその彼氏のいいところを探します。そうすると『彼女は彼氏をより悪くいい、自分は彼氏の味方をしている』という不思議な状況になりますがこれでオッケーです。彼氏の味方をする場合でも彼女の悪口にはある程度沿っていくこと。彼女の発言を真っ向から否定すると「味方である」というポジションが崩れて前提が台無しになります。

 

これが順調に進むと、彼女の方から勝手に「あなたみたいな人と付き合ったほうがいいのかもしれない」というニュアンスの発言が出てきます。明確には出ませんが、サインとして出ます。それはただのクソテストなので決して乗っからないようにしてください。「ふんふん、まあやめとけば」くらいのニュアンスを言外に適当に出していきます。大切なのはその提案に興味を示さないことです。いわゆるパッシブディスですね。猫の目の前で猫じゃらしを垂らして遊んでやる感覚です。(ここでのパッシブディスとは「その女の彼氏になるという魅力的な提案に簡単に乗らない」ことです)これが順調に進むと「自分の魅力をアピールする女」VS「興味を示さない男」という構図になります。このホコタテみたいな構図を作ることが大事です。

 

構図がしっかりできたらこっちのものなので、ちょいちょいっと餌を撒きながら、自分の得意なテリトリーに持っていってください。このやり方は相手の内面を操る手法なので金持ちアピールとか筋肉アピールはしないほうがいいです。ベクトルがズレます。金やら筋肉やらはあくまで付随物なので、そこから先もあくまで自分の居心地の良さで勝負していきます。

 

この先は付き合う前にセックスするのか、セックスしないのかで分かれます。セックスするのであればいつも通りのやり方でいいです。セックスせずに付き合うにしても「彼氏と別れて俺のところに来い」「俺の方が幸せにする」あたりの定番ワードはNGです。あくまで彼女が彼氏のことを好きで、自分はその味方であり、応援しているという前提を決して崩してはいけません。シンプルに彼氏を枠外に弾いてしまって「彼氏がいるってのは知ってるし、今のお前に彼氏がいること自体はある程度タイミングの問題で仕方ないと思ってる。ただ、今俺がお前のことを好きだから付き合おう」というニュアンスでいいと思います。あくまで自分ベースの強い意見が通るような構図を構築しましょう。

 

情報量(こちらが何を把握しているのかを相手がどこまで知っているか)によっては彼氏がいることは知らないふりをしていてもいいかもしれないですね。彼氏のことには無視して、一切興味がない、っていう姿勢をとると、そもそもボーイフレンドクラッシャーは要らないので。知ってて崩しにいくのか、回避しにいくのか。ただ、回避しにいくと途中で「でも私彼氏おるねん」というカードを切られた場合に相手が強くなった状態で振り出しに戻ってやり直すことになるのであまりおすすめしません。

 

 

パターン②にうつります。

<②彼女が彼氏と仲が良い場合>

※あくまで本当に仲が良い場合です。仲がいい振りをしている場合はパターン①です。本音を引き出して愚痴を言わせましょう。彼氏がいて、しかも仲が良い場合は難しいです。パターン①と比べて悪いことをしないといけないので自分の中の罪悪感に勝つことからがスタートです。彼氏と本当に仲が良いと判断した場合は、まずパターン①と同様に相手の味方になります。『そんなにいい彼氏がいて、君はいい女だ。2人はきっとうまくいくよ、僕もそう願ってる』という姿勢です。

 

②-1(愚痴が出る場合)

ここで愚痴が出てきたらパターン①に移行します。単に女が彼氏と仲のいい振りをしているだけ、もしくは『自分と彼氏がうまくいっていることを伝えても、相手が本当に自分の味方になってくれる人間なのかどうか』か試しているだけだったということですね。②→①への移行は女から出されたテストを1度クリアしている分、プレーンなパターン①よりも与しやすくなります。

 

②-2(愚痴が出てこない場合)

この場合はもう仕方ないのでこちらから何らかのアプローチをして彼氏に対する不安を煽ってやらないといけません。そうしないと話が進みません(彼氏とは仲良くやりつつ、ワンナイトラブとしてナンパ師に抱かれる、というパターンの場合はそもそもボーイフレンドをデストロイしなくてもいい)

 

彼氏の味方をしつつ、不安を煽る。これは本当に難しいんですが『彼氏のことは好きだがなかなか会えない、他に女がいそうで不安』などの不安を上手に煽ります。離れ業として「彼氏がいることは諦める。ただ、俺のことも公平に評価してほしい」という姿勢もあります。最後は少し尻切れとんぼですが、本当に彼氏と仲のいい子は難しいです。

 

せっかくうまくいってるのであれば、彼氏に悪いですし。ただ、アポに来ること自体には何らかの理由が潜在的にあるわけですから『そんなに彼氏と仲がいいならなぜ今日のアポに来たのか』辺りを掘り下げてみてもいいかもしれません。どこかに必ず突破口はあるはずなので、時間の許す限り諦めずに粘り強く探ってください。

 

 

今回の記事は以上になります。

 

僕自身、彼氏持ち案件を狙って取っているわけではないので、精度の高い記事なのかどうかは不明です。今回は悩んでいる方への助けになればと思い、以前に行った友人へのアドバイスを基に執筆しました。間違っている箇所やおかしな記載がありましたら、ご指摘いただけますと幸甚です。

さよなら最終兵器①

チェックインを済ませ、ウイングの元へ向かう。『元気してますか』「お前毎日ラインしてるくせにその挨拶は何だよ」彼は笑っていたが、面白がっているのか、とりあえず口調を合わせているのかよく分からない。その雰囲気は全く人のいない平日のクラブに無駄に毎日通っていた当時と全く変わっていなかった。

 

生きるとは呼吸することではない。行動することだ。

ジャン=ジャック・ルソー


 

「じゃあ渋谷駅に25時頃で」

メッセージを送り、新幹線の喫煙室でタバコの煙を吐き出す。

 

話の発端は急な東京出張が決まった事だ。これまで心の片隅にずっと引っかかっていた『東京』への出張である。どちらかと言えば地域密着型のビジネスに取り組んでいる僕にとってそうそうある機会ではない。時間的、金銭的なコストを考えて日帰りにしようか悩んだが、この際である。人生で最も大切なものは時間だ。できることはできるうちにやっておこう。そう考えて休みをフルに使い、東京を満喫することにした。

 

自分の中で決めてしまえば話は早い。連絡する相手は決まっている。今はその東京で無駄に女を食い散らかしている、僕が最も信頼するウイングにラインを飛ばす。聞けば金曜日、土曜日と2日続けて予定を空けてくれるという。東京のクラブにでかい風穴を開けてやろうじゃないか、そんなことを考えながら当日を待つ僕のテンションは、普段よりも心なしか高かったように思う。

 

 

 

当日は仕事を片付け、予約してあった終電近い新幹線にギリギリで飛び乗った。今ではみどりの窓口に行かなくても、スマートEXで簡単に予約が取れる。多忙なビジネスマンのあなたにとっても、きっと役に立つであろう。

 

新大阪から品川駅までの約2時間半ほどは仮眠の時間に充てたかった。もう若くない身体とメンタルに鞭打ち、仕事終わりにクラブに行くのである。ここで寝ておかなければ次休めるのはいつになるかわからない。そんな思いとは裏腹(東京と言えばやはり裏原。vivaアンダーカバー)に、ウイングとのこれまでの思い出や東京のクラブへの期待が胸の中を駆け回り、僕は結局わずかな睡眠をとることも許されなかった。

 

東京メトロにも久しぶりに乗った。いかにもなハイスペック系の男性(これみよがしにラルディーニとかそれっぽい服を着ているいけすかない高身長さわやかイケメン系おっさんのこと)が美女の肩を抱いている。美女は僕よりも背が高い。どうせヒールだろうと思ったが彼女が履いていたのはスニーカーだった。くそ、東京の女は背まで高いのか。

 

 

 

チェックインを済ませ、ウイングの元へ向かう。『元気してますか』「お前毎日ラインしてるくせにその挨拶は何だよ」彼は笑っていたが、面白がっているのか、とりあえず口調を合わせているのかよく分からない。その雰囲気は全く人のいない平日のクラブに無駄に毎日通っていた当時と全く変わっていなかった。

 

 

 

初日の夜はTKに行くと決めていた。だらだらと渋谷の道を歩き、エントランスをくぐる。人はあまり多くなかったが、次第に増えてくるのだろう。どうしても小室哲哉だとか菊池武夫だとかをイメージするその名前を、僕はイマイチ好きになれなかったのだったが、入店してみると思いの外タケオキクチ感がなく少しホッとした。

 

大阪のクラブと比較すると、音楽のボリュームは小さく、ダンスフロアが狭い。逆にダンスフロア以外のスペースはかなりの余裕をもって作られていた。なるほど、これがSHIBUYAのSTYLEってわけですね。

 

 

 

ダンスミュージックやナンパをそっちのけて、近況やナンパ論について彼と語る。『自分勝手なナンパするやつとコンビを組んでいても意味ないしつまらんですわ。もうそういうやつとは組まないようにしてます。単にめんどくさいんで。東京でも結構いるんですよ、コンビでやってるのに行けそうなソロ案件いたらそっち行っちゃうやつ。ウイングのことすら大事にできないやつが女にモテるわけがないっすわ。そういうやつは大体ソロでナンパさせても下手だし、そもそも組みたいと思わないっすね』

 

正論である。特にクラブでthe gameの流れを汲むナンパスタイルを取り入れる場合、優秀なプレイヤーは常にチームである。過去にナンパクラスタではasapenとケチャという不世出の名コンビがいた。個々のプレイヤーとしては彼らよりも優れたスペックを持つ者も居るであろうが『チームとして再現性の高いルーティンを駆使し、それを発信する』とカテゴライズされた枠内においては僕の中では彼らが永遠のナンバーワンだ。

 

話をクラブに戻そう。今日は我々の他に「箱内ヒエラルキー」「2秒仕上げ」などのフレーズでお馴染みの某パカさんもこのタイミングでたまたま東京にいるらしく、用事が終わったら来てくれるらしい。彼がドヤ顔で女の子を仕上げていくのは腹立たしいが、久しぶりにそれを見られると思うとそれはそれで楽しみでもあった。

 

 

 

某パカさんを待つ間、何件かの女の子ペアをオープンしたりガンシカを受けたりして時を過ごす。今フロアにいるペアの中ではここが1番かな、という女の子達に声をかけるも軽くあしらわれる。相変わらずクラブでは(別にクラブの外でも変わらない)モテない。身長が後10cmくらい高かったら僕の人生ももっと変わっていたのかしら、と今になっても悔しく思う。

 

 

 

ナンパ云々はさておき、今回は久しぶりとなるウイングの彼との再開であった。普段はテキストでのやりとりが主で面と向かって対話することはないため、同じ空間、同じ時を過ごすこの時間は何者にも替え難く、その一瞬一瞬がとても心地よかった。

 

 

 

『某パカくん来ないっすねー』

「今日金曜やからタクシー全然捕まらんらしいで」

『まじっすか』

「そのまま凍え死ねばいいのに」

などと話していると、某パカさんからのラインが届いた。

 

パ『着いたで』

 

こちらも久しぶりとなる再会に胸を躍らせながら、我々もエントランス方向へと歩を進める。この後に起こる惨劇について、まだ我々は露ほども知る由がなかった。