2021年上半期総括

11

22

31

42

51

61

の計8本となった。これは落としたくないなと思った案件はそのうち2本で、後の6本は勝っても負けてもいいアポだったと思う。スイッチが入った時は本当に負けなくなったので、これは無駄に長年ダラダラ活動をしている成果といえよう。

 

やっていること自体は特に大きく変わらない。落としたくない案件以外は短時間でラフに仕上げて、仕上がらなければ1時間で放流している。昨今の事情からノンアルでアポが組めるのでありがたい。

 

昔はクラブに行くのがとても楽しく、ナンパはその付随物といった形であったため、僕の生活のサードスペースとしてうまく機能していたが、最近は出会い系アプリで組んだアポに向かうのも腰が重い。月に1本は取っておかないと気持ち悪いし、感覚を鈍らせないために行っているという側面もある。

 

即日狙いで女の子と相対する場合、その勝敗を分けるのは大体男側のルックスを始めとする総合点が女の子の合否ラインを越えればいいわけで『天下広しと言えど、この案件は俺にしか即れない』なのもないしね。

 

まあ今更こんな不遜なこと思ってる奴はいないと思う。僕が即らなくても誰かが即るし、それは結局タイミングに依るところも大きい。多少の幅(ex.スペックの高い男女による即系バトル)はあっても結局全ては即系ナンパの延長線上に位置するし、逆によくこんなシンプルなこと長い間やってきたなって気もする。

 

自分の達成度としてもそこそこの美人と男同士のマウンティングに使われる類の職業の女は概ね抱いた(キャバ、ラウンジ、AV、女医、CAなど)こともあり、ある程度の満足度と飽きがきているのであろうとも感じている。

 

今は自分の仕事について思案したり、一線を退いたナンパクラスタの旧い友人(彼らは皆一様にスタープレイヤーだった)たちと普通に遊びに行ったりする方が楽しいし、ワクワクする。

 

とはいえ、全く新しい女の子と会わないとすげえ老化していきそうなので、アンチエイジングのために今後も月に1−2本くらいは何となくフィールドに立ちたいと思う。

ストリートナンパ②

家にいるのももったいないので散歩がてらナンパをしに行くことにした。

 

1 適当に喋るつもりが思ったより長くなってしまう。恋愛の話なんかも一通り真面目にやって番ゲ。この辺のトークはもう少し後のフェーズにとっておいてもいいのだが、嫌われたらそこで死ぬので、持っている手札は全て切っていく方針でしっかりと和む。思ったより長くなった。

 

2 オープンは割と良かったと思うのだが、その後あまり上手に会話を回せず、お互いのテンションも何となく下がり放流。具体的なエピソードトークができない場面は難しい。

 

3 歩調を合わせると警戒されてそのまま足早に去っていく案件。地蔵。

 

4 向かい合わせの体制で直面したことにビビる、地蔵。多分路上のゴミくらいにしか思われていない。

 

5 ガンシカ。多分ゴミ捨て場のゴミくらいにしか思われていない。

 

疲れてきたのでこの辺でさっさと帰宅することにした。

 

できるだけ他人の迷惑にならない範囲でということを前提で、軽く出て軽くナンパをすることを習慣にしていきたい。

 

どうしてもミナミ近辺でナンパをすることが多くなるのだけれど、この辺を歩いているいかにも夜系です、みたいな女の子はどうしても強い。

 

どこに知り合いとか店の人がいるかわからないので、トラブルになっても嫌だな、と尻込みしてしまう部分も正直ある。絶対に攻略しなくてはいけない部分でもない(というか今更そんなものはない)ので別に無理しなくてもいいのだけれど、それはそれで少し寂しい気持ちにもなる。

 

多分僕はこれからも尻込みしながらガンシカされていくのだろうし、きっとそれはそれでいいのだ。

 

追記

6 某友人と一瞬会うために街の雑踏の中に引き返す。彼に暫しの別れを告げ、タバコを吸いながらたまたま横にいた女の子と話す。彼のことをダシにして番ゲ。僕はこの金髪のことをレオンと呼ぶことにする。

ストリートナンパ ①

今日現在が確かなら万事快調よ

明日には全く憶えて居なくたっていいの

東京事変 -閃光少女-


 

このコロナ禍の中、クラブには少し行きづらいので、ストリートナンパをすることにした。先日はミナミで出勤前のキャバ嬢にガンシカを喰らいまくってうつ病寸前にまで追い込まれたので、梅田へと逃亡する計画を立てる。20時30分から23時までの稼働予定とした。

 

自分に負荷をかけるため(単に楽がしたいだけである)わざわざタクシーで移動する。世の中広しと言えど、タクシーに乗ってナンパしに行く人間などそうはいまい。やる気と情熱が感じられる(もう一度言うが、単に楽がしたいだけである)

 

梅田についたのは21時30分であった。すでに1時間の遅刻をかましている。

 

 

1声目 アパレルっぽい感じ

わんらびさんのフレーズを丸パクリして結構いい感じに和むも友達と合流される。

 

2声目 大学生っぽい

1分ほどで彼氏が迎えに来る。すみません!と元気に挨拶して逃げる。

 

3声目 ギャル

ガンシカ。

 

4声目 ギャル

ガンシカ。

 

5声目 2人組、OLっぽい

ガンシカ。これは声をかける方を間違えたのと、早々に諦めてしまったのが間違い。ただ別に逆3がしたいわけではないので特に問題はない。

 

6声目 カフェの店員っぽい

ほぼガンシカ。

 

7声目 女子大生っぽい

普通の反応。スト値も普通でお互いの同意の下、放流案が可決。

 

8声目 OLっぽい

しばらく会話した後に謎のハイブラマウンティングをかまされる、貧乏でごめんなさい。ぴえんぴえん。

 

9声目 夜職

まあまあ気合入れてやって割とちゃんと喋るも連れ出し打診通らず、番ゲ出来ず。この日1、2を争う可愛さ。勝負所だったが落とす。

 

10声目 夜っぽい

美人であった。一瞬日和るが頑張る。しばらくガンシカされ、スカウトですか?のみ。厳しい。キャバみを感じる。ぴえん。

 

11声目 飲食

環境を使ってオープン、この後クラブをさすがに崩せずに番ゲのみ。

 

12声目 OL

めちゃくちゃ丁寧にやって番ゲ。

 

13声目 夜

話してみると遠目で見るより年齢が高くて放流。

 

14声目 OLっぽい

ガンシカ。

 

15声目 OLっぽい

少しだけ話して放流される。

 

16声目 ギャル

一緒にタバコを吸いながら話す。今から彼氏が来るとのことで放流。

  

 

結局24時30分までやったので、約3時間の稼働。16声、0即、2番ゲだったので、トータルとしては11分30秒ほどで1声(実際には休憩時間がそれなりに長い)しており、8回声をかけて1つ番ゲできる確率だった。

スト値でいうと9.10がダントツで高かったと思う。9はだいぶしっかり和んだが、番ゲできず悔しい思いをした。2つ逃した後ちょっとやる気が出て2つ続けて番ゲできたが、スト値はまあそれなり。

 

地蔵がほとんどなかったことと、反応が確実に取れそうなスト値の高くない案件をしっかりスルーできたことがいいところだったと思う。やはりタクシー代を払っただけはあった。逆に悪いところは会話が煮詰まってくると何を話せばいいかな、と考えてしまい、つい置きに行く会話をしてしまったことと、打診が下手だったことだ。

1なんかは友達と合流する少し前にしっかり番ゲ打診ができなかったことが悔やまれる。打診のタイミングは意外と難しい。地蔵しないのはいいとして、入りの発声やイントネーションへの意識も散漫だったと思う。

 

全体を通して思うのは、ストリートナンパはどう考えたって迷惑行為の範疇を出ないということ。たまたまいい塩梅になった女の子から後になって感謝されることはあるかもしれないが、基本的には社会悪だと思う。

多少なりの相手をしてくれた子には心からのお礼を、相手にしてもらえなかった女の子には自分の傲慢と身勝手に対する誠心誠意のお詫びを伝えてその場を離れることは大切だと改めて感じたし、それだけは今後も続けていきたい。

幸福論

『ずっと昔、私のお父さんがね、泊まりでゴルフ行くんだーってすごく張り切ってたの。前日から着替えとかも全部用意して、子供みたいだねってお母さんと笑ってたんだー。君が行く時は私がお弁当作ってあげようか』

 

何となくの背景や会話の輪郭は僕の頭にこびりついているのであるが、それが一体誰の言葉だったのか、今はもうどれだけ考えても思い出すことができない。あまり裕福とは言えない家庭で育った子だったことだけは何となく記憶に残っている。

 

ご存知の通り、ゴルフというのは何とも金のかかるスポーツである。道具を揃えて練習場に通うだけで10万円単位の金がかかるし、コースに出れば毎回諸々で2万円弱くらいは軽く飛んでいく。彼女の父親にとって、ゴルフ旅行はそうそう気軽に行ける類のイベントではなかったことは想像にたやすい。

 

確かその彼女の両親は離婚していたはずだ。彼女が幼い時分に目にした「ゴルフ旅行に張り切る父親とそれを見守る母親」というシーンはきっと彼女にとって、やもすれば少々美化された形ではあったにせよ『幸せな家庭としての思い出の1ページ』の象徴であったのだろう。

 

金、というのは非常に困ったものである。僕は独身だし、自分1人で適当に生きていく分にはそこまで贅沢しなければ特に困らない。月に何回かゴルフに行くくらいでは財政基盤はビクともしないし、今更そんなことで張り切ったりはしない。多少無茶な遣い方をしたってその当月さえ耐え抜けばどうにでもなるし、翌月になればその金を何に遣ったかなんて忘れてしまう。

 

しかしながら、お金持ちの家で生まれ育ったわけではない僕にとって、金を遣うという行為は時に罪悪感を伴い、それは金額の多寡というよりも遣い方に依存する気がする。清貧が美しいなどというくだらない講釈を垂れるつもりは毛頭ないし、どちらかと言うとこれまで清貧なんてクソ食らえという思想で生きてきたと思う。基本的に僕はマイナスのエネルギーをバネにするタイプの人間で、金銭への執着の根本はおそらく養育環境にあるのだが、この辺りの思想に後悔はしていないし、きっとこれからもそうなのだろう。

 

どちらかというと快楽主義、即物主義的な僕はあくまで自分勝手な欲望を満たすために金をドブに捨てていくし、そうやって強迫的に浪費を重ねることによってどこか心の埋まらない部分は確実に満たされているのであるが、それと同時に大切な、大切な金をなぜこんな下らないことに遣うのか、という葛藤に苛まれている。貧乏、という恐怖からの逃避なのかもしれない。まあサラリーマンの僕に富豪のような散財ができるわけはなく、わざわざ大袈裟に書くほどの金額なんてそもそも使えない。

 

ただ、明らかに無駄なその1万円札を財布から抜き出して、底に穴の空いた心の容れ物に投げ入れる時、僕の脳裏には年に数回のゴルフ旅行を翌朝に控えた彼女の家族、特に家計への圧迫を容認して夫を見守る妻の姿が亡霊のようにチラチラと浮かぶのだ。

 

『キミガイクトキハワタシガオベントウツクッテアゲヨウカ』

 

※この話にジェンダー論は一切関係ありません。

7月総括

全然何もしていないな、と思った7月であったが、Twitterを見るとアポを4つほど入れていた。「今から会おう」といった突発的なアポがそのうちの3本を占めたため、記憶や手帳に残っていないのだ。

 

4本の内訳は出会い系が2本、滅多にやらないストリート準即が1本、キャバクラの子が1本であった。出会い系の1本とストリートは抑えたものの、出会い系で1つ負けてキャバクラの子には負けている。

 

とはいえ4人を順番に並べてみると見た目、スペックなど諸々加味した総合点では上の2本を取り、下の2本を落としているためそこまで変な負け方はしていないとも思う。当然バイアスはある。抱けた女がいい女に見えてしまうのは男の性なのだ。異論は認めない。

 

①出会い系

割と好きな感じの顔と性格だったため、割としっかり目に仕上げて即。4本の中では最もちゃんとやったアポだと思う。美意識の高い女だった。後日コンパ要員として起用したものの、連れてきた女が芳しくなかったため減点。幹事マックスの法則は健在である。

 

②出会い系

LINEだけ交換して何となくメンテをしてしばらく放置していたが、夜中にいきなり今から飲もう、でアポ。何となくギラついたところ何となくグダられたので数十分ほどで放流して負け。パパ活をやっている子だった。金参萬円をお支払いすれば抱かせていただけたのかもしれない。無念。

 

③ストリート

レオン君と遊びに行く際、待ち合わせまで時間があったためぶらぶらしながらナンパした子。ハーフの夜職といういかにもナンパクラスタがドヤ顔でブランディングに使いそうなペラペラとした横文字であるが、意外と色々考えて生きている子だった。気骨のある人間と話すのは楽しいと感じる。世の中気合いと根性でどうにでもなる(ならないこともある)どうにもならなかったらおじさんがお小遣いをあげよう。

 

④キャバクラ
ランナーさんという旧い友人と一緒にキャバクラに行った時の案件。休みの日に個人アポを取りつけることはできたものの、テキーラやらスピリタスやら何やら飲ませすぎ、潰してしまう。店じゃないところで気兼ねなく死ぬほど酔っ払いたい、という彼女の願望を満たすべく召喚された養分になってしまった。てめえ飲めないならスピリタスなんて飲むんじゃねえ。自分の飲んだ分だけ払って1人で退店しようかと思ったが、この反省を自身にしっかりと刻み込むべく全額をお支払い。タクシーの中で「ごめん、ごめん」と泣かれるも後の祭り。てめえしらこいこと言うんじゃねえ。この辺りでギリギリまで粘れないのが僕のダメなところである。その後当然音信不通に。これまで散々女のカモになってきたが、僕はまだ勉強代を払い足りないようである。

 

今年についてはアポのみカウントをとっている。記載していない部分ではクラブで坊主を叩いたり、相席屋みたいなところで壮大にフカシまくった挙句、その辺のいかにもアホそうな姉ちゃんに嘘がバレる(押し通した)などの死ぬほど恥ずかしい経験をしている。大丈夫、僕はまだ頑張れるはずなのだ。

 

今日は8月11日。まだ8月は坊主である。何とか1-2本くらいは取れるといいのだが、モチベーションもそこまで上がらず苦しい展開になりつつある。

What time is it now?

イムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。

 

この地上で過ごせる時間には限りがあります。

本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、2つか3つくらいしかないのです。

スティーブ・ジョブズ


時刻は3時を回った。めぼしい案件はほぼ連れ出されており、フロアも次第に閑散とした雰囲気を帯び始める。半ばやけくそになった雑な連れ出し打診も当然のごとくあっさりと跳ね除けられ、我々にはなす術がなかった。タイムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。

 

タバコをもみ消し、メインフロアに戻った僕の耳に飛び込んできたのはKrewellaのPartyMonsterから続く、SigmaのNobodyToLoveである。Just grab somebody, no leaving this party With nobody to love, nobody, nobody….愛し愛されるはずだった誰かを魅了することができず、今日もパーティを延々と続けざるを得ない。疲労と精一杯の強がりを湛えた我々に追い討ちをかけ、嘲笑うような曲が今日もバカみたいにでかい音量で流れていた。

 

asapen氏に憧れてナンパクラスタに属してから、思えばほぼ丸々6年の月日が過ぎようとしている。ダラダラと年間20-30本程度を消化しながら何となく過ごしてきた自覚はある。仕事が多忙となり、小銭を稼ぐことに邁進していた時期もあった。ナンパに傾注しすぎてはいけない。そう言い聞かせながらあくまで自らのサードスペースとして位置付けていたナンパは、決して生活のメインになることはなかった。

 

ダラダラ消化していた20-30本の中には当然他人から羨まれるような美人もいた(彼女達には申し訳ないが、美人じゃない子ももちろんたくさんいた)し、彼女のポジションを与えるに相応しい女性も数人はいた。もう何年もの間、そのプレミアシートに空きができたことは一度だってない。幸運だったか、不運だったかで言えば恵まれている方だと思う。

 

仕事もそれなりに一生懸命やって、女遊びもそこそこ。バランスの良い生き方。一般的にはそう見えるかもしれないが、プライオリティの最前列にナンパを置き、ひたすらに出撃する友人達を見て、心のどこかに羨ましさを感じていたことは決して否定できないし、その葛藤はずっと敢えて見ないようにしてきた。

 

同時期からナンパをしていた友人や同年代の友人たち。当時ナンパクラスタの最前線を牽引していたメンバーのうち、今ではほぼ全ての人がその座を明け渡してしまっている。彼らは間違いなくスタープレイヤーだったし、僕は今も彼らの活躍に心からの敬意を表している。他人と比べて性欲が極端に強いわけではない僕が丸々6年経っても別分野にシフトせずにナンパ用のTwitterアカウントを運用しているのは、これまでに彼らのような納得のいく突き抜け方ができていないからだ。僕に残された時間も多くない。納得のいく死に方をするために、納得のいくナンパがしたい。

 

イムリミットは刻々と迫っている。砂時計が落ち切ってしまうまでの間、残された時間を大切に、有効に使わなければならない。もはや一瞬の猶予もないのである。

David Guetta Listen

ビッグルームの流行が廃れて久しい。2015年までは間違いなく流行のど真ん中に鎮座していたジャンルであったが、2017年くらいからトロピカルハウスが爆発的にヒットし、その座を奪い取った。それ以降の流行は良くわからない。より王道ハウスっぽいものが中心になったような気もするし、大きなムーブメントがなく、ウロウロしている印象でもある。Alan Walkerももう古いのかもしれない。

 

一応解説を入れておくとビッグルームとは主にBPM125〜130の四つ打ちを基本とするジャンルである。十分に長いビルドアップでテンションを上げ、ピークでドロップし、フロアをハードヒットするという構成が当時かなりフェス受けした。結局曲自体を購入する人がそこまで多くなかったため、ジャンルとしてセールスが伸びず、流行からは外れてしまったようである。よく分かんねえよ、と思う人はAviciiとかZeddの派手な曲のことだと思っておけばよろしい。

 

幾ばくかの寂しさを覚えつつ、最近はListenというアルバムを垂れ流していることが多い。2014年、世界中がビッグルームブームに沸きたっていた頃に満を辞してDavid Guettaがリリースしたものである。今更彼について書いたところで仕方がないので、今回は人物についての説明は割愛する。今回はこのアルバムについて思うところを書いていきたい。

 

次元の低い音楽語りになるので、別にこの記事を読んだって読まなくたって変わらないし、僕が紹介する曲を知っていたところで女の子との会話が盛り上がるわけではない。『音楽を聴きに来てるのー』という彼女達(のほとんど)は実際にはただ単に雰囲気を味わいに来ている。そこで流れている音楽は確かに彼女達の鼓膜を揺らしているため、主体性の有無は別としてその言葉自体に大きな嘘はないのであるが、僕の体感では半数以上の女の子が例えば Steve Aoki の名前を知らない(下らない事情により名古屋の女の子に限っては異常に知っている可能性がある)のだ。

 

本題に戻ろう。David GuettaのListenというアルバムについてである。収録曲の中で、最もビッグルームらしさを感じられる曲は4. Lovers On The Sunだ。おそらく殆どの人がブリッジ部分くらいは知っていると思う。最近はクラブでかけられることも減ったが、シンプルな曲構成とブリッジ部分での鮮やかな展開は一度聴いたら忘れることができない。売れ線ありありなので嫌いな人もいるかもしれないが、押しも押されぬ代表曲であると言えよう。

 

僕が一番渋いと思うのは12. S.T.O.P.である。まず歌メロの拍入れが完璧である。All the lives that we live When we rush and we push Till we bend, till we break、言葉が詰め込まれ過ぎているわけではなく、足りないわけでもないが、4分の4 拍子のリズムの上でギリギリのバランスを保ちながら、軽やかに踊っている。いきなりチープな例えで申し訳ないが、国内アーティストだと米津原子あたりが、この辺りをとても上手にやっていると思う。天賦の才を感じる。ブリッジに向かう部分の盛り上げ方は定番。ここはそこまで特筆すべき点がなく、極めて無難なものである。とはいえボーカルの伸びやかな高音はとても気持ちがいい。さて、ブリッジ部分である。当然メインテーマをドンと持ってくるのであるが、極めて秀逸なのが、完璧なタイミングで組み込まれた完璧なオブリガートフレーズだ。この8小節部分にこの曲の素晴らしさが集約されているといっても過言ではない。主旋律と絡み合いながら決して邪魔をせず、それでいて確実に耳に残る。どこか郷愁を感じさせる音色まで全てが完璧であると言える。これはまさに天才以外が思いつくことのできないフレーズだ。聴きたくなったことと思うので、最下部にリンクを貼っておく。

 

その他にも5. Goodbye Friendsや表題曲となっている7. Listenなど鮮やかな曲展開で聴くものの心を奪う素晴らしい曲が目白押しであり、クラブミュージックを愛する全ての人に

アルバム単位でお勧めすることができる。セールスのこともあるのでビジネス的には厳しいのかもしれないが、僕はまた、流行の最前線にビッグルームが颯爽と舞い戻ってくることを心待ちにしている。もちろんこのアルバムを聴きながらね。

 

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