コンサル・広告業界でキラキラと輝く、エリートの皆様方へ 〜とあるナンパ師の私見〜

先日、Twitter上のスペースでナンパ界隈の方がコンサル業や広告業に携わる方々にこれでもかというくらい理詰めでボッコボコにされているのを聴いていた。ナンパ界隈と港区界隈を含むビジネス系エリートアカウントではそもそもの価値基準というかブランディングが全く異なることと数の暴力が重なり、戦況は非常に厳しいと言わざるを得ないものであった。

 

 

まず前提として、ゴリゴリの正論や社会通念でぶん殴ってくる相手に対して『ナンパ』というものは非常に相性が悪い。というか元々の本能的なところとして『できるだけ自分の種をたくさんばら撒きたい』男性と『1人の相手を自分にフルコミットさせたい』女性では男女論において反りが合うわけないのである。僕は別に男尊女卑論者ではないし、男女問わず一定の能力のある人間は自身を順当に輝かせることができる場所にその身を置けるのが世の中の正しい在り方だと思っているのだが、この数十年において多少なり女性の社会進出が進んだところで元来の遺伝子コードそのものを組み替えるのはそう簡単ではない。

 

 

ロジカルな発言をすることに長けた女性達、元々その女性陣と仲が良い若しくは共通のコミュニティを有する男性で構成される集団の中に突っ込んでいってナンパ論を語るのは地雷原に向かって走り出すようなものだ。相手方のフェミ度によらず、どうやったって女性陣はフェミ論に近いところの論理を武器に異端者を迎撃することになる。その程度やそれがどこまで本質的かどうかはさておき、フェミ論は割とぐうの音も出ない正論に近いので我々が感じているナンパの魅力を伝えるのは極めて困難であったことと思う。

 

 

状況の悪い中ではあったが、果たしてナンパ師サイドはコンサル・広告側に対して、ストリートナンパ、マッチングアプリなどを問わない不特定多数に対するアプローチについて伝えることができていたのだろうか。どうも我々ナンパ界隈を『ちょっと顔のいい身勝手な男達がイージーな女の子に群がるだけのみっともない構図』として受け取られてしまった可能性が高い気がしている。もちろんそのような側面も大いにあるし、僕だってそういう邪な気持ちで女の子にアプローチすることを今更否定しない。ただそういった人たちは昔からたくさんいるのだ。別にTwitterアカウントがあるかないかなんて大した問題じゃない。

 

 

ただ、ナンパには田舎出身、見た目も平凡で、金も大して持っておらず、自身の所属コミュニティにはイケてないぼっちゃんと芋臭い女の子しかいないといった、もうどうしようもない一般人男性が素敵な女の子と(セックスしたり)付き合ったり結婚したりして将来に渡って幸せに暮らすための起死回生のツールという側面もある。自分の理想の彼女や結婚相手を追い求め、もしかしたら彼女がそうかもしれないと思いながら目の前の相手を真剣に口説き落とす。いざ運命を確信した最高の女性に出逢った時、それまでの女修行で得た経験を全力でぶつける。身勝手で一方的なそのロマンが理解されなかったことは些か残念であった。



多少は聞こえのいいナンパの理想論を並べた後にこれを書くと完全に蛇足かもしれないが、スペース上で『何で風俗じゃダメなの?』という発言があったため、金銭を介する行為との差異について、自分なりの考えを記す。自分がしっかりと口説き落とした女性とはドロドロした情念のこもったえげつないセックスが出来ることが割と多い。ワンナイト若しくはそれに準ずる関係であるとはっきりしている関係の女性からは、一期一会ならではの哀愁もあってかまた別の情緒深さを感じることもある。何かの縁で再会した際のそれは慣れもあってかスムーズで順調なのだが、初回に感じたような機微を感じられることはあまり多くない。もしかしたら相手側も後腐れなく今回だけと決めているからこそ、出し惜しみなく全ての性欲を開放してきているのかもしれない。何にせよ風俗やパパ活などのビジネスセックスを通してでは、この辺りのねっとりとした絡み付くような味わいは中々に得難いものなのだ。



いたいけな女の子を性的に搾取した挙句傷つけ回し、自身のリスク管理や女の子へのアフターフォローもしない、金銭的なパフォーマンスのみを追いかけて時間の浪費を全く意識しない、という批判もあったが、ここに対しては全力で反論したい。

 

 

そもそも性的搾取とは何だろうか。雇用主からのセクハラ、取引先との男女関係の強要、売れないアイドルに対する執拗なAV転向打診。これらは立派な性的搾取であるし、断じて許されるものでないと僕も思っている。しかしながら『ナンパされてご飯に行って、彼の家で一晩(一切の強要が為されていない前提ではあるが)過ごしました』これは果たして性的『搾取』とまで言えるのだろうか。女の子だって馬鹿じゃない。きちんと相手くらい選んでいる。現代の社会では一度女性側が『レイプされました』と声を上げれば、ろくな事実検証もされずに男性側は圧倒的不利な状況に追い込まれることが多いと聞く。最近では美人局被害も急増しているようだ。一体どっちが搾取する側なのか、正直僕には分からない。女の子側だって実はそんなに傷ついてないんじゃないか、という意見がスペース上で出たが、僕もだいたいはそんな気がしている。もちろん中にはきっちり傷ついている子もいるだろうが、その辺は正直お互い様だろう。僕だってこれまでどれだけ女の子に翻弄され、傷つけられたかわからない。男女ってまあそんなもんなんじゃないかとも思うし、そこに曖昧さがあったり辛酸を舐めたりするからこそ、恋愛やその駆け引きみたいなところがお互い面白いって部分もあると思う。

 

 

話を戻す。ナンパ界隈にはビジネス面でちょっとした都内エリートサラリーマンを遥かに凌ぐ優秀な人材もたくさんいるし、彼らはリスクヘッジ能力に非常に長けている。もちろんヘッジの一環として女の子へのアフターフォローも極めて丁寧だ。彼らは時間単価も高いのでタイムパフォーマンスも非常に重視する。平均的な男性を母集団として比較した場合、接する母数が多い分、ナンパ界隈の方がリスクヘッジの水準は高度であると思う。上記の批判を行うのであれば、その矛先はナンパ界隈ではなく一般男性全体に向けられるべきものであろう。そもそもコンサル・広告業界の男性諸君、果たしてこの辺について他人を指差せるほど完璧に実行できていますか?俺は付き合った女としか寝ないし、毎回書面で合意を取ってるぜという方、素晴らしい。でもあなたの仲良しの彼は大丈夫かな。

 

 

加えて誤解しないでいただきたいのだが、基本的にストリートナンパをきっかけとして行為に至った場合、あまり揉めることがない。n数は多くないし、もちろん統計データもないためあくまで主観にはなるのだが、僕の耳に入る男女間の揉め事としては不特定多数のパーティ、マッチングアプリを契機としたものの方が圧倒的に多い。おそらくストリートナンパでは『声をかけられて反応するかどうか』『電話番号やラインのアカウントを交換するかどうか』『一緒に飲みに行くかどうか』『その男性の家やホテルに行くか』など、衆人監視の中での女性側の選択機会が多く、その意思が反映されやすいのだ。そのためレイプ被害や同調圧力による複数プレイの強要、他の男性の介入、美人局被害などが介入する余地が他と比べて少ないのではないか。

 

 

かなり耳の痛い批判もたくさんあった。そもそもナンパするのに群れてるのがダサい、使ってる言葉がダサすぎ、などである。群れ関連についてはちょっと弁明したい。特にクラブに遊びに行く際、どうしても男性は男性で、女性は女性でペアや3人になって行動することが多い。クラブナンパをしようと思っても1人で入場すると割とそれだけでハードルが上がってしまうのだ。仲の良い遊び友達がいたってナンパの相方として相性が良いかどうかはまた別問題だ。実はTwitterを通して緩く界隈で繋がっておくと相性のいい相方を探すのに非常に便利なのである。ただ実際のところとしてみんなで部活終わりみたいな感じでヘラヘラと過ごすのが楽しいっていうのはあるし、男同士で『俺こんな女抱いたよ』などという下世話な会話をしたい時もある。その辺は外から見ると極めて滑稽だし自身でも情けないとは思うのだが、まあこれはこれで楽しいのだ。男ってそんなもんなのよ。用いている共通言語がダサすぎ問題についてはご指摘の通りだ。こればっかりは言われても仕方ない。ナンパ界隈の隠語のようなものは割とたくさんあるのだが、ワードセンスが著しく欠如したものも一定数ある。でもほら、ちょっと仕事ができるビジネスマン気取りの若い世代って日常会話でも『アサイン』とか『アジェンダ』、『ジャストアイディア』なんて言っちゃう人いるじゃん。あの辺と同じだと思って、ナンパ用語がちょっとカッコ悪いのは見逃してほしい。

 

 

ごちゃごちゃと書いてきたが、僕が最も強く感じたことは『スペースにおける議論がディベートとして成立していない』ということだった。ナンパ界隈側としてはその魅力についての答えとして『セックスに至るまでの金銭的コストが安い』は一番最初に出てくるものであってほしくなかった。せっかく用意してもらったステージにも関わらず、その上でうまく踊れなかったような印象を受けた。コンサル・広告側にもエリートをエリートたらしめる懐の広さが欲しかった。せっかくの異種格闘技戦だ。もう少しフェアなフィールドを用意して欲しかったと感じるのは僕の贅沢であろうか。

 

 

冒頭にも記載したが、そもそも相容れないグループというか界隈なのだ。おそらく少数派である我々の勝手な価値観は社会通念上の正論に対しては勝てる見込みが一切ない。ナンパ活動や不特定多数へのアプローチの正当性をアピールするつもりは一切ないし、認めてほしいなどと言うつもりもさらさらない。自分たちのやっていることが社会でどう受け取られるかなんて皆分かっている。僕はこれまで一貫してナンパ師はナンパ師らしく、アンダーグラウンドで細々と活動しているくらいがきっとちょうど良くて、そもそも表舞台に出すようなものではないと考えている。ビシッとスーツを着こなした集団の中に派手なパーティ衣装を着て飛び込んでも、おそらくそこでのプレゼンを成功させることは難しい。郷に入っては郷に従えというかお互いにお互いの縄張りがあるので、完全な融和はおそらく不可能だろう。コンサル・広告サイドの男性だってあの時はスーツを着ていたのだ。あの日が休日で、彼らが私服だったら。実は割と仲良くやれるのかもしれない。自己の向上という点での親和性も決してなくはないと思う。

 

僕はコンサル・広告サイドに対して敵意や悪意は全くないし、ナンパクラスタのことは昔から大好きだ。期せずしてこれまで交わることのなかった両界隈が交錯したのだ。袖振り合うも他生の縁と言う。これから仲良くやるのは無理でもお互いの理念くらいは少しばかり分かち合ってもいいのではないかと思っている。

 

 

ここで僕から過日のコンサル・広告サイドの皆様に1つずつ提案がある。

 

まずは男性諸君。1回ナンパやってみ、楽しいから。でもこっそりとな、怒られちゃうから。

 

そして女性諸君。彼氏とかセフレのスマホ見ちゃだめだぜ、書いてあるかもしれないから。

 

『即/30歳/港区在住/高学歴ハイスペ美女』

 

ってね。

 

 

追伸

圧倒的不利な状況の中、プロレスを盛り上げてくださったナンパ・ストリート・ジャーナル様、ありがとうございました。とても興味深く拝聴することができました。できるだけいい文章を書きたい、願わくば書いたものを読んでほしいと思わせてくださったコンサル・広告サイドの皆様にもお礼を申し上げます。また、第2ラウンドについては特に何も記載することはありません。後からお話してくださった朧様にもお礼を。楽しい時間をありがとうございました。



追記

ナンパ・ストリート・ジャーナル様より、スペース内での議論途中で話題が転換され、それ以降反芻されることのなかったが話題に関して、以下のお言葉を頂きました。ご本人からの原文をそのまま追記として記載します。


①ナンパされた女の子が可哀想か

→自由意志に基づくセックスであるためナンパする男性が一方的に悪とはいえない。

②ナンパは時間の無駄か

→ゲームに没頭するのと同じで個人の嗜好次第。無駄とはいえない